買い物を終え、二車線の道の右側でルーテシアを転がす。
登りきったところが国道との交差点。青信号だ。
交差点を越えて、ふとルームミラーに目を遣ると、少し後ろの方で、銀色のメガーヌの顔が左車線から覗いた。右車線に出て加速。
加速からするにルノースポール。
というか、そういう加速で来ても、両車線に車が散在。
しかしそのメガーヌさんは、その加速のまま近づいてきて、
わたしの背後で左にはいり、
そして私と私の前の車を抜いて、右に入り左車線の車も抜いて、最後は左側の脇道に入って行った。
スラローム状態だった。
こういうのは時折見る光景。
ブレーキも使わなかった。(散在する他車の間隔は、抜いて行くにはブレーキ使えば間に合わないくらいの間隔)
車のポテンシャルは高いのだろうけれど、鮮やかではあったけれど、カッコイイとは思わなかった。複雑な気持ちになった。
運転を習って行く過程で、教材として失敗例の動画を見る機会は何度かあった。
その時、どこが間違っているかと聞かれて、私は正解できなかったのだけれど(笑)
「そりゃ無理だよ」(動画の車の動きに対して)
というのが教材の動画を見て直感で思った事。
無理な姿勢変化をした挙句の失敗だった。
明らかな失敗というよりは、何がいけなかったかを少し考えさせられる。
幾らかの確率で、たまたま助かることもあるかもしれない。
プロのレースを見ていても、周りの流れを無視した極端な挙動は嫌われるとわかってきた。
ギリギリの上限で皆が走っているから、至近距離での崩れは周りを巻き込む。
一昨年だったか、スーパーGTでもレースの終盤で若手のひとりが、集団の中をスレスレで縫って走り(細かなコーナーが続くところ)、解説陣が言葉を失う、という場面があった。
サイドバイサイド、テールトウノーズで5台も6台もの車が団子になっている中で一人だけが車1台分の進路変更を繰り返していった。
何事もなかったのは、若手の腕よりも、周囲がそれを感じて流れを変えずに保ったからではないかと思った。
その若手はそのレースに勝ったけれど、評判は悪くなったように、その後のさまざまな場面で思った。
私自身が、スクールで追い抜かれる時に、混乱してルールにないスローダウンをして周囲を混乱させたこともある。苦い思い出。
当時、翌年にはオーバルレースにチャレンジしたいと思っていたけれど、心の中でその日を伸ばそうと思った。
アメリカのオーバルでは尻が出た時のカウンターはご法度だそうだ。
レースの画像を見ればなぜかはわかった。
挙動を乱すことがどれだけ恐ろしいか。
どれだけ危険なことをするかがカッコ良さや勇気じゃない。
こういうことは本当にケースバイケースで、ゆっくりだけが正義ではないけれど、
運転の上手い人は、ゆっくり走っていても上手いと、最近わかるようになった。
自分の腕は棚上げで、偉そうなことを書いてみた。申し訳ない。