その1からのつづきです。
二度寝する意味が感じられず、コソコソと家を出たのが午前2時半。我ながらアホだな(褒め言葉)と自嘲しつつ。草木も眠る丑三つ時とは言い得て妙、本当に何もかもが眠っているかの様な中を走っていく。全く車がいないわけではないが、日曜のこの時間はこんなに空いているものなのか?
西知多産業道路(自動車専用道路)から、東海インターより伊勢湾岸道に入り、豊田JCTから新東名へ。
大体1時間毎を目安にスプラッシュ的な休憩を挟みながら東へ。私自身は、1時間毎にただ車からおりて姿勢変化をするだけで腰痛になりにくいという事は何度か試して実感していたので。
途中の休憩時に予防的にコルセットを着用。(結局終日つけたままだった。)
午前4時に近づくと、空が少し明るめになってきて、浜松PAに入った頃には空が白み始め、
あっという間に明るくなった。
人も車も増える。
その後ここまで来れば目処がつくと思っている駿河湾沼津SAで朝食。
この時の牛乳が実はシフトレバーのブーツに少しこぼれていたことにスクールの最中に気づく(笑)
そしてこのPAは海の景色が見えて好きなのだ。
そしてPAを出て御殿場インターをおりて、いつもの道で富士スピードウェイを目指す。途中にいくつもレースチームのロゴを掲げた建物がある。トムス、DStation、カーガイ。ちょっとワクワクするな。
(国内レース見初めて数年。最近はWECやDTM、フォーミュラE、WRC、エクストリームE、WTCR、IMSA、インディシリーズ…存在は知っていて、見られる時は眺める程度だけれど見ている。家事があるので理解が追いつかないのが実情。DTMのゴッツさんが、きっとメガネ男子なんだなと思っていたりする。見るたびにメガネが違う。)
フジに着くとちょっとゲート前が賑やか。
インタープロトのレースがあるらしい。
いつものP2に到着。
曇り。終日富士山は拝めず。前日は朝まで滝雨だったのだというのはレーダーで見て知っていた。
さあ、主婦の休暇、ユイレーシングスクール オーバルスクールな1日が始まる。時刻となり、座学が始まる。ビークルダイナミクス。車はいかにして動いているのか、どういう動きを目指すのが良いのか。基本は何度も聞いてきた話だけれど、来るたびに新しい話が間に挟まっていて勉強になる。そもそも、ふんふんと聞いていても、自分がそれをどれだけ本当に理解できているのか、そして聞くは易し行うは難し。
最初は小さなオーバルを走行する。
実は私は小さなオーバルが苦手。苦手なんだけど、大体そういうところに自分の弱点が隠れてる様な気もする。なんか苦手意識があるけれど、それは横に置いてとにかく走る。
うーん自分視線が近い。不安なんだな。(直近の操作に不安があると近くを見がちだと私は思ってる)
心を落ち着けて遠くを見る。楽になる。でもやっぱり下手だなあ。そもそも、普段ロールしない感じで走っているので(るーさんがしっかりロールするほどのことは、日常ではない気がする、その必要もない。させちゃいかん。)そのロール感に自分が反射的に戸惑ってる。4年ぶり&るーさんではまだ2回目なんだよなあ。
そもそも、今考えると思うけれど、生来の感覚からするとあり得ない状況(車をあんなにロールさせて走る)に自分は飛び込んできてる。それがそう大したことでない、全然まだ大丈夫(実際問題はないのだと、車を後で確認すると分かる気がする)な人からすれば「できるはずのことをなぜしない?」となるのかもしれない。
私自身も車の力を発揮させたいと思って通っているのだけれど‥超えるのに時間がかかって自分でもじれてくる。
その後オーバルが大きくなる。(オーバルが3種類あって、オーバル、オーバルロング、オーバルロンガー、の順にストレートが長くなる。オーバルスクールではオーバルとオーバルロングを走る。)
最初は余裕がある人数でグループ分けをして追い越し禁止、のちに追い越しのルールや手順、サイドバイサイドの走行が安全にできるコース設定であることの説明や、ローリング走行練習で感覚をつかみ、あとはラジオでアドバイスを受けながら走り込む。常に講師やスタッフの見守りがあって、同乗走行も申し出ればしてもらえる。行き詰まりを相談すれば一緒に考えてくださることもある。とにかく引き出しが多くて懐が深い。よく「怒られる」という話を聞いて来る人がいるらしいのだが‥わからなくもないが(笑)
言葉というのは難しいなあ。私はいたるところに「優しさ」を感じるのだが。きっと、指導する側の「熱量」のなせる技なのじゃないだろうかと思う。
こちらは教わりに来ているのだし、お金を払っている。それに対して指導という形で大きな熱量を返してくれる。すごい熱量だといつも思う。
きっと「怒られる」と言いつつ人に勧める人は同じようにその熱量を感じて、その熱量を覚悟して受けとめよということなのかもしれないな。そもそも、私は諸々のあの体勢が、どれだけの覚悟のもとに敷かれているかをいつも考えてしまう。
指導に応えたい、でも自分にできることはすごく小さい。それでも走りたいなあと思うのは、やはり走ることが好きなのだろうし、基本進歩したい人間なのだろうと思う。
今回、実は「速く走れる」とは内心思っていなかった。そんな簡単なことではないから。
ただ、速くなりたくないわけではないし、走り出したらやはり速く走りたいと思っている自分がいる。ただ、今回自分の課題はまずは1日体力を持たせることと、「混走」を落ち着いてこなせることだと考えていた。これはルーテシア3rsという車を入手するときに覚悟したことの一つ。前の相棒の時は、私自身の経験の少なさや速さというところが大きいと思うが、車のスペックでもグループ分けの時点で混走とは言えない、追い抜かれる場面が少ない環境で練習させてもらっていたと思う。
以前の参加の時に私が混走が苦手であることが一目瞭然になった出来事もあった。追い抜きの手順で混乱して全体を止めてしまったことがある。そこから脱しないと次の進歩がない。
本来なら車を変える前に自分の運転を考えるべきことだけれども、私は順番を確信犯でひっくり返したのだから、そんなに簡単に速くなれるとは思えない。ただ、違うところにルーテシア3rs購入を決断した理由があった。車自体の速さよりも、ストレートに「走る」ことに向き合った車の方を取りたかった。前の相棒は旅行の方が合っている。そもそもそういうつもりだったのだ。ストレートに走りに向かうには複雑な車だと知った。
正しくはないかもしれないが後悔はしていない。
だから今回ちっとも速くなくて、悔しくないというわけではないのだけれども、ずっと、こういうものだよなと心の片隅で思っていた。諦めているわけではない。ちょっとでも速くなってやろうとは思っている。ただ、一緒に走っている人にできるだけ迷惑をかけないようにと考えてはいた。ここで我に走るのは何かが違う。だけどゆっくり走るのも違う。
今回混走を続けていく中で、もちろんミラー等目視もしているのだけれども、気配で後ろからそろそろくるぞというのがわかる瞬間があることに気がついた。実際その感覚でミラーを見ると本当に後ろから来ている。
まあ、そういうことに慣れていないと、確認に時間と意識を取られるから操作がおろそかになる。ましてや手順や何速で走るかというところの実験をしている状況だったのだから、オーバル走行ということを考えても操作が後手に回って速くなれる訳がないのだから、あれでいいのだ。
最後は踏めるところは精一杯と思ったけれども、あまりそれにこだわるとターンインのお膳立てが後手に回り、踏み込みたくても踏み込めなくなるジレンマ。状況的に遅くて当然なのだから、もっとそこの覚悟を決めれば逆にもう少しは速くなったのじゃないかなと思う。
ただ、最後の4分の1が楽しくて仕方がなかった。速かろうが遅かろうが、疑問に結論が出て、それが一番軽く走れることがはっきりした。4分の3苦しんだことは自分の糧になる。車も自分も軽くて楽しくて、インベタ専門でも苦にならない。ごぼう抜きにされても苦にならない。楽しかった。腰が痛かったのが吹き飛んだ。
少し長くなってしまったので「その3」を作ることにします。
次回はトラクションを感じた話を。同じコースを3パターンの走り方でした。