るーさんと駆ける 

RENAULT LUTECIA3RSに一生懸命乗っています。こそっとkangooもいます

貸切峠

 今月の初め、家族の用事で夫と1泊2日で群馬県を訪れた。経路とスケジューリングは夫にお任せ。わたしが口を出しても役に立たない。忙しい夫の邪魔になる。夫が出した経路を聞いて、マップで学習するのみ。

 


ここ15年ほど、ずっと家族に病人がいたり介護の手伝いがあったりで、旅行らしい旅行はしていないので、夫が気を遣ってくれて、用事がメインなのでゆっくりはできないけれど、宿を伊香保温泉で取ってくれた。

 


その伊香保には、小諸で寄り道をして軽井沢をかすめて、山をひとつ越えて入った。

スケジュールがタイトで、非番泊まり明けの夫を私がカングーで職場まで迎えに行って、その後中央道途中まで私が運転して、午後は夫が運転を担当したのだが、この夏に足を痛めた(怪我というより疲労)夫が峠手前くらいで足がつったということで、運転を交代した。

 運転したのは榛名山の峠。私は第1巻だけ読んで、好みでなくやめてしまったので内容はちゃんと知らないのだけれど、イニDで知られる峠のひとつらしい。

平日の夕方に山道を走る人は少ないらしく、すれ違った車は片手くらいにおさまった気がするし、追いつく事もほぼなく、後ろから車が迫ってくる事もなかった。

「峠を攻める」という言葉があるけれど、別に攻めてはない。

ただやみくもに速くとか、遅くても良いからとにかく安全にという走り方をしては、どちらもユイで運転を習ってきた意味がないと個人的には思っているので(峠に限らずだけど、とにかく遅く走れば安全というものでもないと思う)、世間様に責められない速度域で、車線をまたがずライントレースしていかにスムーズに安全に楽しく走れるか、安定したコーナリングができるかだけを考えて走った。

上りはアクセルオフとステアのタイミングと切り方を判断しつつ必要なだけアクセルペダルを踏んでいけば、恐怖感はないし、ある意味安心。

下りはブレーキングのタイミング

ブレーキングの強さの山をどういう風にするか(車の姿勢)

どこまで減速すれば無理がないか(無理があると危険だし、オーバースピードは結局何処かで失速して損をしている)

の判断を誤りたくない。

 


過去に山道を走った時は、今年に入ってからでも、大筋問題はないのだが、どうも自分の中での不正解センサーが発動するタイミングが出てきていたのだが、何が不正解かが今ひとつピンとこない。「あと一歩」感があった。

 


今回は、道がほぼ貸切状態だった事もあり、完全にマイペースで走れた事もあるが、とにかく自分の中の恐怖センサーが発動せず、理由がピンとこない失敗もなかった。足りなかったことは、大体そのコーナリング中に口に出していた。初めて走るので、考えるというより状況把握で精一杯の無意識だけど、なんとなくそうなっていた。

こんなに峠道が楽しいと思ったのは初めてだ。遅くもないし特別速くもないが堪能した。それが何より嬉しかった。ずっとやりたかった事だ。

師匠から見たらツッコミどころはたくさんあるだろうと思うけれども、自分史上最高の一筆書きだった。手前味噌が過ぎるかも知れないが、計5時間を超える運転席も、その最後の峠道も10年前なら無理だった。役に立って嬉しい。

カングーにも感謝。

ルーテシアだったらもうちょっと自分の粗が見えていたかも知れない(笑)

カングー空荷でもリヤに不安がないのは運転のせいだけじゃないと思う。

 


つづら折れの180度ターンも多かったので、最初は夫がマップを見ながら次(のコーナー)が深いとか教えてくれていたのだけれど、最後はこいつ大丈夫だな、楽しそうだなと思ってやめたらしい(笑)

 

下りの最後の方になると、深いコーナーの手前の路面に、カマボコでもなくもう路面自体を波打たせてあるコーナーがいくつかあり、夫と2人で驚いた。

結局そういうことなのだろう。

この時代になっても峠を攻める人はいて、下ってくる間にそこより上で乱れた車の姿勢の崩れが積み重なって、後半で耐えきれなくなって…という事故でも多発する場所なのだろうか。

路面を波打たせるって…そこまでするの?

普通の人も通るよねえ…

 それはさておき、何故「あと一歩」感がないんだろう?運転しながら不思議に思っていた。

後になって考えてみたが、おそらく、5月に久しぶりにオーバルスクールに参加した時に、オーバルロングコースで、ルテ3で2速3速でトラクションを使って安定したコーナリングができるのだということを、さんざん3速のみでトラクションが効いていない経験と共にできたことで、その違いがはっきりして、どうすればトラクションを利用できるかという事も、頭の中でひとつのケースとして学習できた事が今回活きたのではないかと考えた。

ずっと自分に足りないものの一つは、理解しきれていなかった、経験がなかった、結果、練習できる環境でも勇気が出なかった事で、車の能力がもっと高いことを信じられなかったということなんだろうと思う。前よりは信じられる様になったのだろう。

近頃普通に近所を走っていても、どの車でも、速く走ろうとしていなくても、若干コーナリングが変わった感はあるのだ。面白いものだなと思う。

そして、結局それが活きてくるのは、いかに車の姿勢をコントロールできているかで決まってくるのかなと。以前より踏み込むことができるようになった事で下りの姿勢が安定した、とだけ書いてしまうと語弊があるような気がするので抽象的な表現になるが。

 

とまあ、実に興味深い経験だったのだけれど、オチがあって。

 


峠からわりとすぐ、泊まる宿があって、伊香保の石段の途中。

当然車の道も激坂。駐車場はどれだとやっている間に一度坂の途中で止まってしまい、うちのカングーは坂道発進がちょっと大変(よーするにそろそろクラッチ、的な)なので、激坂発進の恐怖に負けて、残り10メートルを夫にお願いしたという…

 


まだまだ修行が必要なオカンでございます。

スロットル思い切って開ければ繋がるレベルの症状なんですが…石段上から後ろ振り返りたくないタイプなので、繋がる瞬間に下がる量が半端ないのがとにかく怖くてね…(泣)

 

 

 

 

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翌朝美しい谷川連邦を望む。また行きたい場所でした。