るーさんと駆ける 

RENAULT LUTECIA3RSに一生懸命乗っています。こそっとkangooもいます

終の車 その2

前回、終の車 の最後に

今の相棒が終とはいろいろ思うところあり考えられない。すごくいい車だしもう2度と現れない類の車だと思うけれど。正直自分には過ぎた性能だと思う。

と書いた所からの続き。別に近々3RSを手放すぞと思っている訳ではない。

 


ルーテシア3RSを手に入れて、何度かスクールで走ってみて、まだちっともおいしい所を使えていないものの、その入り口は見えてはいる。

正直ちょっと驚いた。まあ自分が知っている範囲の事を思えば驚いて当然だけど、でも驚いた。

ルノースポールは、スポーツ度合いとでも言えば良いのか、足回りが純正で何パターンかあるし、本国では、クリオ(ルーテシア)カップ、的なレースカテゴリがあるらしく、その気になればいろいろ選べるらしいが、自分の車がそのベースグレードか、と驚いた。

これでスポーツ走行をしようとした私は無謀な事をしようとしてないか?日常を3RSと過ごしているとそんな風に思う。

普段一般道をのんびり走っている時は簡単によく走りよく曲がりよく止まるお利口さん。上屋に比べて腰下が幅広いので駐車場であれれ?となるくらい。無理と無茶と雑は禁物なのは言うまでもない。

オーバルコースを走ると、この車がこんなにロールするんかとびっくりする。が、そんなものは序の口で、車はまだちっとも音を上げていない。ちゃんと操作すれば何事もなかった様にコーナーを立ち上がって加速体制に入れる。

日常に戻ると、殆どロールもせずに曲がっていくのが、自分がサボっている様で、何か他にできる操作がないかと探してしまう。結果微に細にとなる。日常のコーナリングは軽自動車の方があれこれ工夫している。

 


 

 コースに出る時間とお金と消耗品は今後用意できるのか、今以上の走りを目指した場合は身体が耐えられるのか、それは自分がしたい事なのか。それを頑張る事で、自分にとって周囲にとってのメリットデメリットは…大事な事なのだが、そんな事ばかりを考えていると、どんどん走れなくなっていく。

競争は好きではないし、正直、みんなが速く走ろうとしている空気の真っ只中に自分が混じっている事の圧迫感でびくびくする。消耗する。怖い。こういう事には本来なら向いてないと苦笑い。

それでも続けていた理由は、その状況はある意味社会で生きていく事や交通の中で車を走らせて行くことと同じだと思うという所もひとつある。

恐れとか周囲の人の気持ちとか、考え過ぎてしまうと本来の力が出せなくなったり、判断を誤る。運転において大切なのは感情よりも冷静さとかルールや物理に対する素直さの様な気がして、それは運転以外の事にも役立つ。

縁があって一度踏み込んだ世界だし、ずっとずっと、上手な運転に憧れていた。逃げない方が良いのでは?と心の奥で自分自身が考えた。

そしてユイのスクールの現場に流れている空気や考え方は共感できるしいい空間だと思っている。恐れや緊張はスクールに起因するものではなく、私は日常が緊張に満ち溢れているタイプのヒトなんだと改めて認識した。

 


 続けようとする更なる理由は、以前幸田のスクールを開催して下さった際の自分の走りが予想よりも楽しくて速かった事が印象的だったという事もある。

今思い出してもバックストレートエンドのブレーキングは最初大変だった。

バックストレートに入る前のコーナーをきっちり立ち上がれば、3RSの高回転側の加速力がしっかり使えるが、ストレートエンドでは若干ステアリングを切った状況で、次のコーナーに向かってのブレーキングが。前も横も植え込みが近い。当時は3RS入手後間もなかったので、加減速Gはそれまでの車と比べ物にならなかった。(ある種の恐怖感はフジショートの下りストレートの後のブレーキングからの一連の部分にも共通する。)

しかしストレートで踏まなければどこで思い切り踏むのだ?踏んだ以上は辻褄合わせねば。という図式で、最終的には早く全速可能なバランスにして迷わず思い切り加速して、ブレーキングは思いより早めに丁寧に始める、にした。それだけでも驚くほど車は落ち着く。

 それをやれたのは、前の相棒との独りサーキット通いのどアンダー祭りに始まって、そこからユイレーシング通いと脳内整理を経てのユイのスズカでのスクール時のタイム短縮経験を経て得た考え方を信じて、幸田でも実行してみた結果だったと思う。幸田で言うなら、まずはバックストレートを速く走るために、他の全てをミスなくこなすことから始めた。その根底にあるのは間違いなくオーバル走行の経験で得た感覚だと思う。

 


3RSを終の車には、できないかもしれない。いろんな理由や思いや事情がある。書けない事がたくさんある。書いたとしても伝え切れる自信もない。

3RSは私の実力や現実的にこの先望める事に対しては勿体無いかもしれない。まだわからないし方法はなくは無いが、現実的かどうかに疑問がある。

ただ、速度や加減速Gが大きくなっても、ちゃんと組み立ててちゃんと操作すれば落ち着いて走れる。速くもなるし楽しくもなる。スポーツ走行は怖さに耐えることでは無い。

という事をもう少し経験してから、その先を考えていこうと思って、スクールで走る機会を伺っている。ただ、今の私の立場ではとにかく機会を得るのが難しい。少しずつ…とやっているうちに、日々が過ぎて行く…。

 

車が好きで、この25年余りでいろんな車に乗っていると思う。正直今でも考えが足りなかったなあとその車に申し訳なく思い出す事もある。実際車は感情のない物体だけど、車に「まあまあ良いオーナーかな」と思ってもらえるヒトでいられたら良いなあと思っている。