クルマのスクールに参加する様になって、それをこういう所で書く様になってから、何度か、何を習っているのか?という感じの疑問を投げかけられた事がある。
とにかく珍しがられる。珍しいことでそれ以上の話が進まなかったり、私自身すごく有益だと思ってはいるし、もっと沢山の人に知って欲しいけれど、 万人受講すべき!などと強烈にスクールをPRしようとしている訳でもない事と、私自身がどう説明すれば伝わるのか、ということを掴みあぐねているので余計に伝わらないのかも知れない。
「あそこで習えば速く走れるようになるよ!」というのはサーキットでは魅力的かも知れない。でも、サーキットに行かない人、速く走りたいと思っていない人にとっては特別な魅力にはならないのかも知れない。
私自身がなぜクルマの運転を習っているのかを、今感じている事で、本当にひとことだけで言ってみようとすると、
「運転が楽になるから」
もしくは「運転だけでなく生活のいろんな所に活かせるから」のどちらかになる様に思う。
でもその前に、自身は元々運転が好きだったんじゃないかとも思うんだが。ただ、好きなくせに、遠出をしようとして、1時間程すると頭痛がする、とか、高速の合流や車線変更が苦手、自分の判断に自信が持てない。そういう不安材料がその当時はあった。
漠然と、運転が上手くなれば、いろんな事が解決する様な気がして。大体物事には基本、大原則みたいなものがあるじゃないかと。そういうものを知りたかった。
同じ頃に自分の周辺でサーキットに行く人が出始めて、そういう影響も全くなかったとは言えないのかな、プログラムにサーキット走行があるカリキュラムを見つけて申し込んでみた。
(今世話になっているユイレーシングスクールではありません)
たまたまキャンセル枠で入れて、行ってみたら、座学もないし運転の仕方が分かった訳ではないけれど、サーキットは楽しかった(追い越しなし走行)。同じところの基礎編?の別カリキュラムも実は2回行ったけれど状況変わらず。これ以上行っても一緒だな、困ったなと。
運転の本を2冊読んだ。
ポールフレールさんの本、ガンさんの本。
ポールフレールさんの本で、何となく、車は物理で動くんだということは印象には残った。
サーキットも通ってみた。当時は平日の昼間くらいしか身体が空かなかったから、2台くらいしか走ってないミニサーキットで、1周回ってきたら
「おーキタキタ」みたいな感じで大型の鳥がコースから飛び立つ、なんてこともあった。
その頃、特に飛ばしている訳でもない所で目の前にバイクが飛び出してきたり、単独事故一歩手前のことがあったり、神様に助けて貰えているうちに何か考えた方が良いと思う出来事があった。極め付けが40km/h制限の道路での2回の違反と免停。2回目があと1日あとなら1年以内ではなく免停ではなかった。神様に叱られたのかな。
免停消化までの一連の出来事が人生において極めて虚しい数々の作業。
そして違反者講習を受けた運転免許試験場の待合室で、危ない車を避けようとして事故を起こしてしまったお兄さんを、「あーそういやあたしまだ罰金払ってないわ」と言ってた、話の内容からすると速度超過で一発免停?の飲み屋風のお姉さんが慰めている光景を見かけた。
その光景のシュールさと、その後の講習の中でやった、「気持ち悪くなる方もいらっしゃるのでそういう方はやらなくて結構です〜」って前置きされたシュミレーター(今考えるとあの当時ですら、あれがシュミレーターと呼ばれている事が信じられない。試験場建て直しの何年か前)の気持ち悪さ。
もう絶対ここには来ないと心に誓った。馬鹿馬鹿しい。いろんな意味で自分がしっかりしていれば来なくて済む。良い経験ではないが勉強になった。
その頃はもうユイレーシングスクールに行きはじめていた。
ユイに通って運転を見直した。1年に3回とか4回とか行っていたと思う。単純な操作だけでなく考え方として間違っていることも時に遠慮なく指摘があったし、交通をどう捉えるかという意味でも学びがたくさんあった。皆と一緒に走る時にはそこが蔑ろにされていては、いつか何かが起きる。指導する側にそういう真剣味がちゃんと感じられた。
今だって自分の考えが足りているとはちっとも思わないし、むしろ足りないことがたくさんあるという思いの繰り返し。
本質的な自分の行動を変える近道は、そうした方が結果得であると自分の脳に信じさせる事だと思っている。どこかで読んだのだけれど、人はそっちが得だと考え、その成功体験ができると、一見そっちが楽じゃない方法に見えても、その楽じゃない方法を自ら選ぶらしい。
それには、誰かに言われるから、じゃなくて、本人が本気で納得して体験する事が必要なんだと思う。
日常運転する場面でも、生活のいろんな場面でも、クルマの運転を通して知った考え方が役に立つ。
そして、車と仲良くなれてきているというのは趣味的にも楽しい。