自分は最近になってようやく実感となって腑に落ちたのは、車は一般人が持てる身近な道具の中ではかなり高度な技術の集合体なんだなということ。ITやコンピュータ技術が進む今、先進かと言うと、全部そうとも言い切れないのかもしれないけれど、例えば飛行機や船は多くの人が持っている訳じゃないし、やっぱり車は気軽に所有できる技術の集合体だと思うのだ。
それがクルマ好きのロマンのひとつなのだと、今になって納得している自分がいる。
私は特に車をいじる、直すことは殆どできないけれど、車のことを説明した本を少しずつ必要と興味に応じて読んでいる。ネット上で調べ物もする。例えば、先日カーエアコンでなぜ車の中が冷やせるのか、という大まかな理屈を知って感動した。基本的には家庭のエアコンも同じだそうだ。
結局、具体的に何がどうなってという、細かなことはそんなにわかってないけれど、気体(エアコンガス)を圧縮して熱を放出させ、拡散して冷やし、その冷えたガスを通す配管に取り込んだ車内の空気を当てて冷やし、室内に戻すということらしい。参考にした記事はこれ。
https://thepage.jp/detail/20140518-00000013-wordleaf
なんでそんなことを調べたかといえば、先日ルーテシアにエアコンの効きが良くなる(実際はコンプレッサーという圧縮機の動きを助けるらしい)という薬剤(ワコーズパワーエアコンプラス)をエアコンガスのガス圧を見てもらった上で回路に注入してもらったのだけど(数年前から我が家にある車には皆1度ずつ入れてもらっていて、エアコンドーピングと私は呼ぶ)、入れてもらうとエアコンを最強フル稼働しなくても済むか、フル稼働の時間が短くなる。効力は、その時入っているエアコンガスが抜けるまで大丈夫。
ルーテシアは95000キロで注入。まだ特に異常はなかったけれど。ほかに入れた車で我が家に残っているのはヴイッツ。もう数年経つ。エアコンよーきく。
アイドリング時にコンプレッサーからカラカラと音がしているというのが入れたキッカケ。
親の持ち物であったときなので、正確な事は分からないが、10万キロ前後で。それから少なくとも四年、8万キロ(主に高速で週2で片道1時間半を往復)くらい走って19万キロで譲り受けた代物。10年もの。エンジンオイルの管理はしっかりとしてあった。
もうすぐ21万キロ。
私としてはコンプレッサーを保護してエアコン修理を先送りするために、小さな投資をする目的なのだけど、それでなぜ効きが良くなるのかがその薬剤のメーカーさんの記事だと、メカに詳しくない自分にはハッキリわからなかった。結局その薬剤の詳細はわからない(そりゃ企業秘密や)けれど、エアコンの仕組みを知って、自分の中でのコンプレッサーのフリクションを少なくするという触れ込みの信憑性は上がった。
コンプレッサーを補助するだけでエアコン全体が必ず長持ちするかどうかは、以前よりもちょっと懐疑的になったけれど(故障箇所がコンプレッサーだけではないことを故障情報を仕入れるようになってわかった)、持ち主素人がエアコンの延命に手が出せるとしたらそこだけのような気もした。
よく冷えるから全開で冷やしまくるのではなく、出来るだけ全開を避けて、少ない負担にする工夫はしてるつもり。
前より冷えるからそれで十分。
なんにも知らなかった自分が、その気になれば上記のようなことを考えて、行動する。それが100%正しいかどうかは断言はできないけれど、あんな技術の集合体を、自分が所有して、管理しようとする。
ある意味それは冒険、ある種のロマンなのだなと思った次第。
最新の機能に触れて実感する、古き良き時代をコツコツと維持する、いろんな方向性があって、人それぞれ楽しみがあるのかなと思って頷いた。
そうやって頷いた車の事はたくさんあるのだけど、その度に自分の脳みそと経験の限界も知る。
で、運転する方のたのしみの方に、より傾く。
運転を追うと、深くなって、それは自分の脳内に広がる無限の世界。これもひとつの大冒険。
楽しい。車が1mでも動けば楽しい。
角ひとつ曲がるにも、ブレーキを踏むにも毎回違う。