るーさんと駆ける 

RENAULT LUTECIA3RSに一生懸命乗っています。こそっとkangooもいます

暴走爺さん

 入院したときもそうだし、今回の蕁麻疹でもそうなんだけれど、うちのじいさん(我が父)がちょっと暴走気味に「俺が手伝ったる」スイッチが入る。

そもそも、まだ細菌の正体も確定はしていないけれど(先生は思う所あるらしくじれてる)、今回の一件で、なにがいけなかったかといえば、そもそもの最初の整形外科開業医の初診の見立てがテキトーだったこととか、それ以前に私自身が自分がステロイド服用者だという自覚が薄かったこと。それが主な原因。

こういうことがおきて初めて知ったこともいっぱいあるから、正直ステロイド長期服用する時点で注意事項として話してほしかったというのが本音だけどね。抵抗力が落ちるから、小さな傷からも感染の危険がありますよと真剣に一言伝えてほしいものだと思う。

だから、決して家族が私をこき使っていたせいではないとおもうのだ。むしろ私がもうしわけないと思っている。

 

もちろんありがたいから、できるだけ黙っているのだけど、今朝はさすがにひとこと物申した。というかその前から一度言ってあったのだが、効き目がなかったのが事実。

大体、普段から我が家で一番忙しいのは爺さんだ。

介護と仕事を掛け持ちして半ば潰れかけていたので同居をもちかけたのだから。

 

なのに例えば勝手に洗濯はオレがやると決めて、自分の中でタイムスケジュールを組んでいて、睡眠時間が足りなくなっているのが傍目に見ても明らかなのにウロウロしている。

でも私がのんびり自分をいたわりながらやってもそれより速い(笑・主婦とて20年選手ともなると経験値ありまっせ)

説得して、ランドリー組と干し組の仕分けを私がぶんどり、コインランドリーは行くから!として。

そして父が洗濯機を回したものをこっそり設定を直して速く終わらせている(以前早めに終われる設定を伝えたけど忘れたみたい)

というか、余裕がないくらい忙しい人が人の手伝いまでしていたらそっちが倒れる!

っていうのを、そちらが一番いそがしいのだから、と丁寧に話したけれども。娘に諭されて納得する親父もあんまりいないですわな(笑)

気持ちはわかるけど、そこでそういう風に気持ちに流されるから、更に大変になるんだということを伝える手段がまだ見つからない。

 

同居してまる8年が過ぎようとしているが、同居前は断絶状態だった。

父の忙しさとライフワークの意味についていけなかった母が、父の仕事の影響(一時期理不尽な係争のあおりを食って嫌がらせの電話とかうける類の事もあったらしい)もあって精神のバランスを崩し、彼女が自分で扉を閉めてしまって親子関係崩壊。私はしかたなく実家とは断絶していた。

その後10年ほどの間に母は脳梗塞(多分遺伝的要因もあり)で半身不随になった。

 

父の仕事のやり方は若い頃からその業界(まあ、公務員です)の当時の普通とは別の道。

そのせいなのかなんなのか、40代になってからはいろいろと仕事では、名前はつくがきつい仕事が多く、本業を深めさせてもらえるような状況ではなかったらしい。つまらん世の中。

その中でも密かに少しはやりがいのある仕事を振ってくださる上司がいたり、周囲の説得もあり(多分その後の立場のことを考えてくださったのだと思う)、辞職をなんどか思いとどまり、定年1年前に退職。その後は、うーん、言ってしまえばコンサルティング業のようなことをしている。

依頼を受けた現場をみてコメント、個々の人材のサポート、講演、執筆。

 

 

家族、娘、という立場からすると、当時はなんとも思っていなかったけれど、

今思えば、はっきりいって、迷惑をかけられたことがいっぱいある(笑)

ただ、父の仕事が意味のない仕事だとは思ったことはなかったような気がする。

 

結局ひとりの人がそんなに多くのことをぜんぶ円満に成し遂げられるということなんてあんまりないだろうなと思うし、私にとっては父というより職業人なのだ。

 

老いてなお、忘れてしまうことが増えてなお、父を愛し続けている母は、父に大事にされていると介護スタッフに冷やかされるとニンマリする。私では父のかわりにはなれないのだ。それはお互いにわかっていること。

だから大変でも父は主介護者をやめない。でもしごとをやめたら自分が潰れてしまう、のが正直な気持ちだそうだ。

 

父の心にはきっと罪悪感がいっぱいあるんだと思うけど、父が悪かったと思っていることと私が辛かった事は多分種類が違うんだろうなと、近年はっきり思うようになったし、なんだか、その罪悪感がお手伝いの暴走を生み出している様な気がして、どうしたもんかなと知恵を絞る日々。きっと父にとっては厄介な娘だろうなあ(笑)

 

へんなダジャレを言い、卵を産む(かもしれない)爺さんに、時々大変緊張なされているご様子で

「〇〇先生の…おたくでご…ざいますでしょうかあ!」ってカミカミで電話がかかってくることがある。だいたい新規の方で、なんだか偉い人だと勘違いしている。

できるだけ丁寧に受け答えするが、わたしにとってはダジャレと卵産みとお手伝い暴走のひとなので、「安心してください」って言いたくなる(笑)