小学生の頃だったと思いますが、クリープを親には内緒で(小学生の大半は父子家庭で鍵っ子だったので、内緒でもなんでもありませんが)スプーンで取り出して舐めることを覚えました。
甘くてクリーミーで美味しくて、だから、きっとこれをお湯で溶いたらもっと美味しいに違いないと思い、ワクワクしながらお湯を注いで、ふうふうして、飲んで、ガッカリした覚えがあります。そもそもそういうものではないし、きっとお湯入れすぎたんでしょうね(笑)
で、クリープ舐めるのは好きでしたが、コーヒーは20歳を過ぎても好きになれませんでした。
だって苦いよー…
それが、いつまで経ってもお子様から脱出できない感じで、ちょっと嫌でした。
22-23歳位になって、当時付き合っていた夫とよく喫茶店に行く様になり、なんとなくコーヒーを飲むようになりましたが、とにかくお砂糖とコーヒーフレッシュがないと飲めない。
なのに、コーヒー抽出には興味を持ちはじめ、自家焙煎のお店で挽いた豆を買ってペーパードリップで淹れる様に。ドリップポットなんて洒落たものは持ってなかったので、急須にお湯を入れてドリップしていました。
結婚前に、稼いだお金で、百貨店の品揃えの中ではお高くないが私には高級品なコーヒーカップとドリップポットを買い、行きつけの喫茶店のマスターから結婚祝いでもらった手回しのコーヒーミルで豆を挽いてコーヒーを淹れる様になりましたが、相変わらずブラックでは飲めないまま10年くらいが過ぎて。
ある時、お世話になっている車屋さんから遠くない所に珈琲豆屋さんがある事を知り、ふと足を向け、コーヒーいただいてカルチャーショックを受けました。
初めてコーヒーをブラックで飲めるかも、という気がしたんですよね。
コーヒーの香りとは別に、苦味、酸味、甘み、コク、オイル感…あのカルチャーショックから10年以上?経って、現在私が意識してるのはこのくらい。他にもあるかもしれませんが…
そして、もひとつ、渋みっていうのがあることがそのカルチャーショックの時にわかって、私はそれのおかげでコーヒーがブラックで飲めなかったというのがわかりました。
渋みを出さない抽出方法も世には色々あるようで、そのうちの1つをそのお店で知って、実践し続けています。渋みを出さずに、ほかの甘みや酸味や苦味は抽出の温度管理で出方をコントロール出来るのでおもしろいんです。
プロではないので、あくまでも日常的な夫婦の楽しみとしてできる範囲。家で軽く晩酌する代わりくらいの感じ(夫婦で下戸)。
市販のドリップパックにお湯を注ぐタイプのものでも、出したい量の半分くらいの濃い原液状態の所でドリップをやめ、残りの半量はお湯を注いで希釈すると、渋みは出にくくなり、スッキリした飲みやすいコーヒーになります。
生豆の種類や焙煎度合い、焙煎からの熟成期間など、こだわりポイントはたくさんある様ですが、私は豆を買うお店がほぼ決まっているので、自宅での抽出を一生懸命やってるだけです。
コーヒーそのものもそうですが、どこで飲むか、誰と飲むか、何のために飲むかも大事ですよね。
コーヒーは嗜好品の部類に入る様ですね。
嗜好品という言葉は二十歳くらいで初めて知りましたが、近年改めて奥が深いなあって時々思います。
無くて死ぬというものではないはずですが、人によってはこれが無いと生きてる楽しみが無いというものでもあり、こだわりも方向性もその深淵度合いも人それぞれ。正解は1つにあらず、なんでしょうね。