小学生の時、何故か伝記ものか好きだった時期がありました。とはいえ、同じ本ばかり何度も読んでいた気がします。徳川吉宗と家康だったかな?あとは学研マンガの「いぬのひみつ」が好きだったのを覚えています。
写真の本は、本屋で平積みされていて、目に止まって買ったのが2月だったと思います。日本史から読み始めてしばらくしたらウクライナ侵攻が始まりました。
合間合間でちょっとずつ、とりあえず日本史、世界史両方読み終わりました。ワタクシここ20年で1番ゆっくり生活できている感があるのですが、改めて、こうやって本を読む余裕ができたんだなとしみじみ思います。(家の中の整理整頓、片付けも徐々に進めています。)
この本、年号を使わず、ストーリーとして流れを掴む事に重点を置いた本です。そういう風にした理由も前書きにきちんと書かれています。
高校で習う世界史のアウトラインを辿る感じなんですが、ところどころで著者の見解や解説が今風の言い回しも使って入っていて、楽しく時代を辿れました。
高校で世界史やっているはずなんですが、まーったく覚えていません。読んでいても、びっくりするくらい全く初めて聞いたような感覚でした。もうちょっと知りたいなと思った事はあるわけですが、それはまた、それこそ検索かければ個々の事は出てくることなので。
以下はあくまで個人的感想ですが…書いてあることはあくまでアウトラインとか一般的な流れなので。総じて、統治者たちの苦悩と傲慢さが印象的。宗教対立とイデオロギー対立は深いです。
近現代に於いては自国の領土内で戦争をした国は長引くほど国力が下がり、他国が戦場の場合、参戦し勝ったらある意味得をする。でも戦争はしないに越した事はない。翻弄されるのはいつも一般人。
結局紀元前から戦いの連続で、「人権」が騒がれるようになったのは歴史的感覚で見れば最近。やはり画像や映像で戦場が映るようになった20世紀。それまではやりたい放題だっただろうと想像がつきます。
そして第2次大戦後も、結果的に何も終わってはいないんだって事を改めて確認することに。
ロシアは結局はずーっと何度も南下を試みているし、クリミアとウクライナを取りに行ってる事は随分昔にも何度か。いわゆる「地政学的リスク」っていう事なんだろう。
2次大戦後の冷戦の構造や東西ドイツ、ソビエト崩壊などの大まかな全体像も以前よりはっきりした。ニュースを見る目が少し変わると思います。
中国が香港や台湾を取りに行きたいワケ、単なる領土広げたい問題だけでもなく思います。アメリカにとって台湾とはどういう位置付けで、何故それについての発言を特に取り上げてニュースにするのか、何故日本は親日台湾を公式に国としてないのか。認めるか否か、どっちが正しいとかいうよりは背景を全く知らないということが問題だと思います。
宗教同士が定義として相容れないこと、共存する場合、政治的イデオロギーも然り。印象的な話もいくつか。
高校の世界史はどこまで進んでいたのか、記憶がない私も悪いけれど、受験に関係があるかどうかで重要性を考える空気感が高校時代を無駄に過ごしてしまった気がして勿体ない事をしたなと思います。どうしてこんな興味深い話を知らなかったんだろう。
それが何年にあったかという事は確かに後で整理すれば良い話で、先にストーリーとして理解する事は意味があるなと思います。
悲しいことにちょっと固くなってきたアタマでは細かいことは抜けていきますが、良い機会となりました。
それにしても19世紀的戦争と21世紀的戦争の対決のように見える今回。でも、歴史は繰り返す…とも思うのです。人間って変わらないんだなあ…(T ^ T)